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推奨フィラリア予防薬と予防期間の変更について

先日お伝えしたように、 当院では、これまでフィラリア予防薬の投与開始を毎年5月としておりましたが、2025年より開始時期を4月に早めることといたしました。また、これまで使用していた『ネクスガードスペクトラ』から、新たに『シンパリカトリオ』に変更いたします。その理由についてあらためてご説明いたします。

① フィラリア予防開始時期を5月から4月に変更した理由

フィラリア予防は、蚊に刺された翌月に駆虫することで予防を行います。気温が15.6℃を超えるとフィラリア感染リスクが上昇するとされています。気象庁のデータによると、広島県ではここ数年の3月の最高気温が15.6℃を超える日が確認されており、これにより感染リスクが以前より高まっています。そのため、当院ではより確実にフィラリア症を予防するため、予防薬の投与開始時期を従来の5月から4月に前倒しすることを推奨しています。推奨予防期間は4月から12月とします。

② フィラリア予防薬を『シンパリカトリオ』に変更した理由

当院ではこれまでオールインワンタイプのフィラリア予防薬として『ネクスガードスペクトラ』を使用していましたが、このたびより高い安全性と効果が期待できる『シンパリカトリオ』に変更いたします。シンパリカトリオは次のような特徴があります。

  • ノミやマダニの駆除効果が非常に速く、投与後4~8時間以内に駆除が始まります。
  • 効果が長持ちし、1回の投与でノミは約34日間、マダニは約33日間の予防が可能です。
  • 海外で耐性が問題となっているフィラリア(犬糸状虫)にも高い有効性が確認されており、より確実な予防が期待できます。
  • 安全性を高めるため、有効成分の中でも特に効果が高く安全なものだけを選択しています。シンパリカトリオでは、有効成分のサロラネルにおいて鏡像異性体のうち効果が高く安全な「S-エナンチオマー」のみを採用しており、従来のラセミ体(活性の低い異性体が含まれるタイプ)よりも高い安全性と効果が期待できます。

以上の理由から、飼い主さまとわんちゃんにとってより安心・安全な予防を行うために、当院では『シンパリカトリオ』への変更を決定いたしました。

予防開始時期や新しい予防薬についてご不明な点がございましたら、お気軽にスタッフまでお問い合わせください。

今後とも、わんちゃんの健康を第一に考え、より良い医療を提供してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。