重症熱性血小板減少症候群とマダニについて

マダニが媒介するSFTS

 

重症熱制血小板減少症、いわゆるSFTSが、先日またニュースで取り上げられていました。

SFTSの日本での発生は16例目(2013年5月25日現在)だそうです。

 

SFTSは、ウイルスが人に感染して引き起こされる病気です。

感染すると1,2週間の潜伏期間を経て発症し発熱、倦怠感や消化器症状を呈し、死に至ることもあります。

 

動物を飼っている人にとって気になるのは、やはりSFTSがマダニの媒介によって感染するということ、そして飼っている動物がSFTSを保有するマダニを持ち帰るのではということではないでしょうか。

草むらや藪に入る動物の方が人よりマダニを持ち帰る機会が多いと言えます。また、今のところ動物での発症例の報告はありませんが、遺伝子や抗体が検出されていることから感染すると考えられています。

 

先日、日本ではじめて、直接マダニからSFTSウイルスが検出されました。

マダニは全国どこにでもいますが、SFTSの発生は西日本に集中しています。

活動期は春から秋と言われていますが、キチマダニのような通年見られるマダニもいます。

 

予防は、草むらや山など、マダニが生息しそうなところは行かないこと、服についたら払い落とし、動物は散歩に行ったあとにまめにブラッシングをすること、そしてスポット剤で予防駆除することです。

予防することでマダニが動物に付着して住環境に入ってくる機会を減らせますし、SFTS以外のマダニが媒介する病気に感染する機会をも減らせます。

予防期間は春から秋ということでしょうが、山によく行くなど行動パターンや生活環境によっては通年の予防する必要があります。

野生動物がベクターとなって広めているのかもしれませんが、一人一人が予防を意識することによって、人間社会での拡散を抑えることにつながるといえるのではないでしょうか。